シャルル編 | どうして王子であることがバレないのか。 |
なぜ町へ出かけるようになったのか。 | |
“お忍び”に、アレックスの上着を借りていくのはなぜ?(準備中) | |
なぜシンデレラを友達に選んだのか。![]() |
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どうして王子であることがバレないのか。 |
こんなところに王子様が、こんな格好でいるわけがないと誰もが思っているため。 |
ああも大っぴらに人前に出かけているシャルル王子ですが、町で一度も「ひょっとしてあなた様は‥」などと言われていません。 城から出る前に、髪に手ぐしを入れていく程度の変装(第3話)なのにです。 では、王子の顔が知られていないのかというと、そうではないようです。 シンデレラは王子に直接会ったことはないようですが、彼女の空想に出てくる王子は、シルエットではなくちゃんとシャルルの顔になっています。それに、第15話「二人のシャルル王子」では、一般市民であるイアンが「肖像画を見たことがある」と言っていますし、芝居小屋の役者マルセルも、自分が王子に似ていることを自覚しています。 さて、時代設定は違いますが、名探偵として知られるシャーロック・ホームズは、主に相手の身なりや持ち物で、その人物の身分や人となりを推理していました。というのも、当時の人々は皆、職業や身分に相応した格好、振る舞いをしており、それが当然のことだったからです(※1)。 国が違い、時代も百年ほど違いそうですが、エメラルド国のシャルルたちの時代もこれと同様であると思われます。シャルルが王子だと気づかれないのは、一般市民の衣装を身につけ、市民のように振る舞っているためなのです。 要するに、こんなところに王子様が、こんな格好でいるわけがないと誰もが思っているため、シャルルの正体はバレないのです。 それを示すのが第13話。王子とは顔見知りであるはずのイザベルが、農民の服をまとったシャルルを「私のシャルル様じゃない!」と言っています。 ただ、“お忍び”がバレているザラール侯爵には、さすがに見破られるおそれがあるらしく、シャルルは背を向けたままササッとその場を去っています(第16話)。 また、例外は一度だけありました。シンデレラのお見合い相手のメルビルは「シャルル」という名と、シャルルの顔を見て、とっさに「王子様!」と判断しました(第20話)。ザラール侯爵の遠縁にあたる彼は、王子と会う機会があったようです。 ただしシンデレラに別人と言われて、あっさり納得してしまいましたが。 ※1:しかしそこからさらに踏み込んで、相手の交通手段やクセまで分析してしまうホームズは、深い知識と鋭い観察眼を備えた名探偵に違いありません。 |
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なぜシャルルは町へ出かけるようになったのか。 |
原因をつくったのはアレックスかも‥。 |
動機という面で言えば、きっとお城の外が楽しそうだと感じたからでしょう。 行動力があり、あれでなかなか利口なところがある(ザラール侯爵談)王子ですから、城を出入りする方法はいくらでも思いつきそうです。たとえば第3話では、町から戻った王子は城の正面ではなく、裏側へと消えていきます。これは何かというと、城にはいざというときのための君主専用の秘密の脱出路があるものなので、王子はそれを利用したものと思われます。 第14話では、物資の搬入路と思われる通路から、人目を盗んで城を出ています。うかつにもシンデレラに尾行されていますが‥。 さて、脱出および戻る方法は創意工夫でなんとかなるとして、では、お城で優雅に暮らす王子様であるシャルルが、そもそもどうして町が楽しいところであると思うようになったのでしょうか。 ここで、王子が最も身近に感じている人物、学友アレックスに注目してみたいと思います。 彼は金髪に白肌、整った容姿に加えて、君主に忠実。それに剣術や学問など王子と同様の英才教育を施すことができるほど優秀な青年です。王子の影武者もこなせるほど、立派な振る舞いもしてみせます。 しかし第13話ではザラール侯爵の娘イザベルに「(協力しなければ)お父様に言って、お城には出入り禁止にしてやるから!」と言われて焦っています。どうやら本来の身分はさほど高くないようです。きっと身分の枠を超えて選び出された学友なのでしょう。 王子が城を抜け出してしまう原因をつくってしまったのは、このアレックスではないかと思われます。 まず王子は、アレックスから城下の様子を聞いたものと思われます。最初は領民の暮らしぶりを知りたいといったような理由だったでしょう。 けれどそのうち、見てみたいという好奇心に変わってしまい、やがてアレックスも思いもしない、お城を抜け出して町へ見物に出かけるという、「バレたらとんでもないことになる」行動へと発展してしまったのでしょう。 |
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アレックスの上着を借りていく理由は? |
※考察中 |
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なぜシンデレラを友達に選んだのか。 |
シンデレラの持つ、どこか自分と似た雰囲気に惹かれたため |
トレンディドラマの王道パターンなきっかけ(第2話)で知り合った2人。物語が進むにつれ、しだいに惹かれあっていきます。 さて、「僕たち縁があるんだ」(第3話)と積極的に友達になるべく行動を起こしたのはシャルルのほうでした。 物語の序盤ではその理由を、シンデレラが人目を引くかわいい女の子だったからかな? と思ったり、王子様であるシャルルは人に(ましてや女性に)あしらわれることに慣れていないため、自分に冷たい態度をとる女の子に興味をそそられたんだろうか、と感じたりしていました。 しかし上の理由だと、シャルルは最初からシンデレラに対して恋のような感情を持って近づいたことになります。これは本編の描写と違うように感じます。 恋人としてではなく、友達になりたくてシンデレラに声をかけた、というのが、本編に沿った解釈のように思われます。 なお、シンデレラに出会う前のシャルルに友人はいませんでした。 それ以前は「ちょっと町をぶらついてくるだけさ」という言葉どおり(ちなみにこのセリフ自体はうそ)、一人きりで、あてもなく町をぶらつく程度だったものと思われます。 このことは、アレックスに「このごろ(城を抜け出す)回数が増えてますよ」と注意されていることから推測できます(第6話)。どうやら、シンデレラと出会う前から、シャルルはしばしばお忍びで町へ出かけていたようですが、頻度は少なかったようです。城を抜け出す回数が増えたのは、城の外に楽しいこと(友達)ができたためでしょう。 それでは、なぜシャルルは、シンデレラのような女の子を友人とすることを望んだのでしょう。友達をつくるなら、同じくらいの年頃の少年を望むのが普通なのではないでしょうか。 シンデレラと知り合うまでは友達を作る気がなかった、というわけではないようです。これは、シンデレラと出会ってからのことを振り返ったシャルルが、彼女を通じていろんな経験をし、友達もできたことを、心の中で感謝している場面から推測されます(第22話)。 では、シンデレラにぶつかられる前のシャルルは、どうして友達を作ることができなかったのでしょう。決して悪人ではない、それどころか国民に愛されるすてきな王子様なのに、なぜなのでしょう。 それはシャルルの高貴な育ちに原因があるように思われます。 イアンとの初対面で、シャルルはさっそくイアンに「なんだよコイツ、感じ悪いな」と腹を立てられています。それをシンデレラが「気にしないで」と、すかさずとりなしました(第11話)。 どうやらシャルルに悪気はないものの、シャルルの言葉遣いはイアンには尊大な物言いに聞こえたようです(※私たちは本編を「日本語吹き替え版」状態で観ていると想定)。 たぶん知らず知らずのうちに、高貴な身分の者が用いる言葉を発してしまっていたのでしょう。貴族であるシンデレラは聞き慣れているため、シャルルに悪気がないことが分かったのです。 つまりシャルル単独では「生意気な口をきくヤツ」と思われてしまうため、城の外で友人を作ることができなかったのです。 なお、シンデレラも一般市民でなく、貴族の娘ですが、継母たちに召使いのように使われる日々を送っていました。そのため、買い物などを通じて城下町の普通身分の人々との交流があり、どのような言葉づかいをすればいいのか分かっていたと思われます。 しかしボロをまとっていても、そもそもシンデレラは貴族の娘です。格好に似合わない、育ちの良さを感じさせる雰囲気のシンデレラは、城下町で目立ったでしょう。とりわけシャルルの目には不思議な女の子として映ったにちがいありません。どこか自分と似ていると感じたのかもしれません。 ためしに声をかけてみたところ、やはり最初は冷たくされましたが、シンデレラはシャルルの物言いに悪気がないことを理解してくれ、友人になってくれました。 また、シンデレラの目にも、一般的な服をまといながらも妙に高貴さを漂わせているシャルルは、浮世離れした存在に見えたでしょう(実際「ヘンな人」と言われています)。 2人は似たもの同士だったのです |
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